ムーンライト(6)![]() Fanart By miiko |
| ベジータの去った窓は開いたままで カーテンが朝日を浴びながら かすかにゆれていた。 ヤムチャが深夜カプセルコーポに戻ってきたとき。 ブルマの部屋の窓が空きっぱなしなのに気がついた。 カーテンが夜風になびいていたのだ。 ヤムチャを拒む彼女が 窓を閉め忘れるはずがない。 部屋の明かりはぼんやりついていて 彼女はまだ起きているとヤムチャは思ったのだ。 抱いてしまえば このとげとげしい雰囲気も終わるはずだ。 ヤムチャは自分が今まで女の子達と踊っていたことを忘れて 嬉々として歩みをすすめた。 屋内に入りブルマの部屋のドアをたたいてみた。 …反応はまったくなかった。 ヤムチャはかなり酔っていた。 精神を統一して彼女の気を探ろうとしたが もともと彼女の気は弱く、 彼は彼女の存在を確認できなかったのだ。 「ちっ。」 ヤムチャは舌を鳴らし もう一度庭に出ると舞空術で 3階の窓へと飛び上がったのだった。 ヤムチャは息を呑んだ。 デスクの書類は風に飛ばされ コーヒーは少し口をつけただけでほとんど残されている。 スタンドのライトだけはついており 彼女のシューズは残されていた。 昼間着ていたらしい洋服はちゃんとハンガーにかかっていた。 ブルマだけがいなかった。 ヤムチャはキーを確認する。 ドアは中から確実にロックされている。 ヤムチャは言葉を失った。 さらわれた、と思った。 そういうことをしそうな人物 残虐非道な行為をする人物に 彼は心当たりがあった。 ベジータの野郎! ヤムチャはブルマのベッドのシーツをかきむしった。 声を出せずに何度もかきむしった。 ベジータを刺激したのは自分だ。 ブルマを抱くところをわざわざ見せ付けたのは自分だ。 俺は悪くないからな。 ブルマは俺の女なんだ。 しかし。 ブルマが今どのような状態にあるか。 それは考えたくなかった。 ベジータは男だ。 宇宙一の悪人だ。 地球に住んだからといって その性根が変わるはずはない。 欲望を達成するためなら どんな手段でも躊躇しないだろう。 ブルマが泣こうが喚こうが ベジータは必ず目的を達成するはずだ。 ヤムチャはブルマの書斎の横のキッチンスペースから もてるだけ缶ビールを抱えて ベッドの上に一気にばら撒いた。 色とりどりの缶が 音を立てて散らばった。 ブルマがさらわれた。 なのに助けに行こうとしない自分が ここにいた。 ブルマがさらわれた場所に 見当がつかないこともあった。 しかしそれよりも 死を恐れる 弱い自分がそこにいた。 自分が想像したように ブルマがベジータに残虐に組み敷かれていたとしたら 自分はとてもその姿をみることができない。 たとえブルマが泣き叫んで 自分に助けを求めたとしても…。 ヤムチャは絶対ベジータに勝てない。 自分の恋人が乱暴されているのを止めるどころか 指先から発する気の一本で ヤムチャは惨めに命を落とすだろう。 再びだ。 そしてドラゴンボールでは 2度死んだ者はもう生き返ることはできない。 自分が殺されたときの恐怖は覚えている。 底なしの闇が覆い被さってくるのだ。 あの痛み、苦しさは…怖い。 …死ぬのはいやだ。 ヤムチャは飲んだ。 ビールを浴びるように飲み続けた。 絶対的な力の差。 あるのは確実な死。 彼は情けない自分を忘れたくて 一人飲み続けた。 いつしか朝焼けが夜空を西に追いやり 何処かからわずかに 小鳥のさえずりが流れてきた。 窓を背に立つブルマの姿は ヤムチャの方からは逆光になっていて よく彼女の表情は見えないようだった。 しかし薄いパジャマが朝日に透けて ブルマのやわらかく膨らんだ体の線が ぼんやりと浮かび上がっていた。 ブルマの姿は美しかった。 その細い体を抱きかかえて ベジータはこの部屋に帰ってきた。 いつもの戦闘服を着た姿で。 意外なことだった。 ヤムチャは目を疑った。 ベジータに乱暴な様子は微塵もなかったのだ。 そして何よりブルマ自身がベジータの首に その長い腕を巻きつけていたのだった。 ブルマはパジャマではだしだった。 別れ際に二人はなにか言葉を交わしていたが ヤムチャには聞き取れなかった。 聞きたくなかったのかもしれなかった。 ブルマは呆然とヤムチャを見つめた。 ヤムチャは書斎と寝室に通じる ドアのところにたっていた。 足元にいくつもの空き缶が転がっていた。 部屋の奥の方はまだ薄暗い。 いつからここにいたのだろう? ヤムチャにぜんぜん気がつかなった自分に驚いた。 やましいことは何もしていない。 ブルマは自分に言い聞かせた。 でもヤムチャを目の前にしても ブルマの体はベジータの太い腕の感触を覚えていた。 月明かりの中に浮かび上がる体のシルエットや 白く輝く端正な横顔をブルマは 目に焼き付けてしまっていた。 これは裏切りなのだろうか? ヤムチャは平気でほかの女性と体を重ねる。 でも私は何もしていないわ。 後ろめたいことなんてない。 ちゃんと説明すればいいじゃない。 話し合えば分かり合える。 ブルマは頭の中で繰り返した。 ヤムチャはゆっくりブルマの方に歩き出した。 あれだけ心配していたブルマが戻ってきたのだ。 もっと喜んでいいはずだった。 しかし夜明けに戻ってきた二人の様子は ヤムチャの想像とまったく違っていたのだ。 ブルマはベジータの腕に抱かれて帰ってきたのだ。 ヤムチャは大きく頭を振った。 急激に酔いが回ってきたのが自分でわかった。 ヤムチャが近づいてくる。 ブルマはただ黙ってたっていた。 ヤムチャの瞳に光はなく 彼からはアルコールのにおいだけが漂っていた。 彼はどんよりとした瞳でブルマに目をくれると かすかに唇をゆがませた。 そして金色のブレスレッドの光る左手で ブルマの右肩をつかみ そのまま激しく壁面に押し付けた。 どん!っと音がして ブルマは驚いたようにヤムチャの顔をみた。 彼女は一瞬足をとられそうになったが 何とか転ばずにこらえた。 「ヤムチャ…?」 ヤムチャは何も答えなかった。 この時点でブルマはまだ彼との会話を期待していた。 しかし突然彼の右腕があがる。 殴られるっ! ブルマは思わず目を閉じた。 しかしヤムチャはブルマを殴らなかった。 ブルマは恐る恐る目を開いた。 表情のないヤムチャの顔が目の前にある。 やがて身を硬くしたブルマの体を開こうとするように ヤムチャはブルマの唇を求めた。 「やめ…て…」 あまりの激しさにブルマは息ができなくて 彼から逃れようとした。 その体をヤムチャの腕が絡み取り 彼の左手が強く彼女の右の乳房をつかんだ。 「やっ…!」 5本の指が何度も何度も皮膚に食い込んで パジャマのボタンがはじけて飛んだ。 くるのは痛みだけである。 彼の体を離そうと ブルマは顔を赤くしてもがいた。 ヤムチャは無言だった。 彼は左手でブルマをつかんだまま すっと右手を下のほうにのばした。 そして乱暴にパジャマをずらすと 彼はいきなり指をつきたてた。 「きゃっ!」 その雑な動きにブルマは声をあげた。 その動きに思いやりや 愛情は感じられなかった。 ブルマが腰を引こうとしても ヤムチャは容赦なく動き続けた。 …あまりの痛みに涙が出た。 確認したのだ。 そこにべジータがいないことを。 言葉で言えばいいじゃない。 何も聞かないで …これはないわ。 ブルマは壁に背を押しつけられたまま ずるずると崩れるように座り込んだ。 諦めに似た寂しさが 彼女から抗う気持ちを失わせたのだ。 ブルマの抵抗がとまって ヤムチャははじめて笑みを浮かべた。 「気持ち、いい?」 ブルマの気持ちを推し量ろうともせず ヤムチャはそう声をかけた。 ブルマの涙を浮かべた瞳が 彼の目には 喜ぶ姿に映るのか。 向かい合う気が ないんだ。 この人は・・・。 ヤムチャは返事をしないブルマの口を開かせようと 彼女の体を背中から強く抱き 器用にパジャマを脱がせて ごつい左手で体をさすりあげた。 白い背中に舌をはわせて いくつもの内出血の跡を作り 右手の指は乱暴な動きをいつまでも繰り返した。 何年もかけて 調べ上げた体であった。 ブルマの肉体は次第に彼女の意志を離れて 細かく震えだす。 彼女の背中をしびれるような感覚が怪しく走り 両足が痛いほどこわばりはじめた。 このままでは惨めだと思った。 彼女は彼からそれでも逃れようと デスクのところまではうように逃げようとした。 しかし背後から強い力で押さえつけられ 全体重を一気にかけられて ・・・もうどうしようもなかった。 「あっ」 唇から声がもれる。 動物のような快楽に身をうばわれながらも さめたもう一人の自分が ブルマ自身を冷静に見つめていた。 こんなのいやだ。 …殴られた方がましだ。 ヤムチャとは終わった。 …そうおもった。 |
next
ムーンライトトップへ
ムーンライト5に戻る。
怒れ!ベジータに戻る
| SEO | [PR] おまとめローン 花 冷え性対策 坂本龍馬 | 動画掲示板 レンタルサーバー SEO | |